愛犬の分離不安、飼い主さんは大変ですよね。我が家の愛犬サン(ゴールデンレトリーバー♂)も分離不安です。
今は7歳で大分落ち着きましたが、若い頃は留守番で必ず問題行動を起こしていました。
好きなおもちゃや、ご馳走おやつを置いてみたり、飼い主お出かけ前のルーティンを変えてみたり。
外出前に長時間散歩に行って疲れさせてみたり、留守中は音楽をかけてみたりと、一般的に言われている対策方法を試してみましたが、効果はなかったです。
教科書通りだけでなく、サンの性格や、私のやり方を見直してみたところ、成犬になるにつれ少しずつ改善がみられてきました。
7歳になった今でも、完全に分離不安が治ったわけではありませんが、以前が10だとすると、3くらいにはおさまった感じです。
サンの嫌いな雷さえなければ、0~1といってもいいです。飼い主の負担も大分減りました。
私がやっていたことは、『❶一人の時間に慣れる』、『❷毎日を充実させて精神を安定させる』という、いわゆる基本のトレーニングです。
特に意識したことは、留守番に関して飼い主さんが慣れさせるのではなく、愛犬側から『一人もいいな』と思わせることでした。
また、愛犬が本当に毎日、一分一秒を楽しんでいるかを、今一度愛犬の立場で見直してみること。私は愛犬のために色々やっていると思っていましたが、結構ボロがありました。
また、家の生活の中で一緒に楽しむ時間をたくさん作ることです。
悩める飼い主さんに、参考の一助になれば本当に嬉しいです。
『サンの分離不安日記』です*********
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一人時間に慣れてもらうために
飼い主にくっついているのが面倒くさいと思わせる
何と言っても、基本のトレーニングは、「部屋で留守番トレーニング:はじめは数秒から初めて徐々に時間を長くしていく」だと痛感します。
ただトレーニングするだけでなく、ちょっとしたポイントがあります。
シチュエーションは、犬のリラックススペース/留守番部屋からトレーニングスタート。(我が家はリビングです/留守番中は家の中をフリーにさせず、リビングのドアを閉めます)
ベストな時間帯は、日中や散歩後など、愛犬が疲れて眠くなっている時。
はじめはドアを開けたまま、何も声がけせずに部屋を出ます。もちろん焦って着いてきますよね。その時に『どしたの?いるよ』くらいのごくごく簡単な声がけを。
(※この時にもらしたりしても、できればそのままにほっとくか、何もなかったかのように平然と掃除)
そして、すぐ戻ります。また、出ます。徐々に長い時間にして同じことの繰り返し。飼い主さんは家中の色んな所に行きましょう。別の部屋で何か作業するのはおすすめです。
疲れてきた愛犬は飼い主の近くで寝てしまうでしょうが、そうなったらリビングに戻る。愛犬も急いで着いてくる。そしてまたすぐ出ていく。
最終的に『なんか着いて行くのめんどくせーな…(どうせ戻ってくるんだし)』と思わせることが狙いです。
ここが愛犬との忍耐勝負です。これを何度かやっていると、『飼い主に着いて行くと疲れるからリビングで寝てよう』となり、着いてこなくなります。
飼い主側から慣れさせるのではなく、犬側から自発的に『一人でゆっくりしてる方がいいや』と思わせることです。
その頃に、開け離していたリビングのドアを半分くらいにして出ていく。また繰り返し。ドアを少しずつ閉め、最終的には完全に閉めてみます。
愛犬の状態によっては、ドアの外から声がけしたり、完全に閉める時間は短い方がいいでしょう。
このトレーニングをやり始めてから、少しずつよくなった感じがありました。ポイントは毎日やること、飼い主さんが出ている最中に問題行動を起こしても、絶対に騒がない/叱らないことです。騒いでしまったら全て水の泡になります。(難しいですけどね)
また、声がけや目を合わせることも、あまりしない方がいいように思います。特に褒めたりして大げさにしない方がいいです。
時間がかかりますし、飼い主さんも大変ですが、毎日数回は行うことをおすすめします。
犬部屋は安全地帯だと認識させる
冷暖房を付ける時期は、更にトレーニングチャンスです。暑がり君の真夏、寒がりちゃんの真冬は是非行ってみてください。(全館暖房だと厳しいですが)
我が家の例でいうと、サンはゴールデンレトリーバーで、暑さに非常に弱い犬種です。そして、冷房をつけるのは、犬部屋のリビングだけ。廊下に出た瞬間、暑さがムワっときます。
そこで、前項のトレーニングがさらに強化できるのです。
すなわち、『快適なのは、犬部屋(留守番部屋)なのよ』と認識させること。暑い時期に、また飼い主出たり入ったりを始めます。もちろん、初めは着いてきますが、犬部屋の有難さと、それ以外の場所の不快さに気が付いているでしょう。
こうなれば、何度も飼い主が出入りをやっているうちに『一人だとしても快適な方がいい』となります。様子を見ながらドアを徐々に閉めていきます。
サンの場合はどっちも捨てがたいようで、ドアから顔だけ出して身体はリビングという、あざとい状況になっていることも多いのですが。
その場合、大好きなおやつを使って部屋内に戻すなり、逆に廊下に出してリビングに入れない様にドアを閉め、暑さにさらします(可哀そうですけどね)。
暑さに耐えられなくなり、ドアを開けた瞬間リビングの扇風機にしがみつき、数分当たりたがります。その隙を狙って、そ~とドアを閉めてしまいます。
前項と同じように、完全にドアを閉めてしまったら、はじめのうちはすぐ戻ってあげる方がいいです。
重要ポイントは、『冷暖房の有難みを身体で覚えさせること』、『冷暖房は犬部屋にしかないと認識させること』です。それにより、『犬部屋は安全地帯だ』との気づきになるのでは。命に関わってきますからね。
寒い時期も同様です。我が県は雪国なので、寒さに強いサンでも、暖房なしだとある程度寒がってはいます。でも、やはり夏時期の方が効果的ですね。
※やりすぎて、熱中症や低体温症を起こさせないよう、十分ご注意を!
飼い主よりもエアコンか
それを狙ってんでしょうが
毎日を充実させ精神安定を図る
一人遊びを楽しませる
一人遊びができるおもちゃはたくさん売っています。
コング(…丈夫なゴム製のおもちゃで、中におやつを入れられる。入れ方によって、犬が取り出す難易度を上げられるので、長時間楽しめる)や、噛むおもちゃ、中におやつや音が鳴るボールなど、早くお気に入りを見つけられるといいですね。トレーニングにも役立ちます。
『留守番中にお気に入りのおもちゃや、長く持つおやつを置いておく』という対策は、我が家では効果がなかったです。食いしん坊のくせに、大好きなボーンなども全く手を付けていませんでした。(私が帰ってきたら速攻食べ始めました)
サンが全然食べてない…そこまで深刻か…
ですから、私の在宅時にトレーニングとしてよく使っていました。基本的に、夢中で遊んでいる最中にそっと抜け出す方式です。
お気に入りのおもちゃをちょっと取り上げてみたりもしました。当然、興奮して取り返しにかかってきますから、返して、また取り上げて、と彼が『何か飼い主うざいな』と一人遊びを始めた頃に、さりげな~く抜け出すトレーニングをしていました。
また、彼が食らいつきそうな新しいおもちゃをあげるとします。あげる時は、私はリビングのドアの入り口で、(ほぼ廊下)彼はリビング内にいる状態であげてました。
犬は獲物を巣穴に持ちかえる習性があります。彼が意気揚々とハウスに入った際に、そ~っと廊下側にフェードアウトしてみます。できればドアも閉めつつ。
焦って着いて来ようとする前に、姿を見せて、何もなかったかのように振る舞います。
愛犬がまたおもちゃに集中したころに、また同じことを繰り返します。愛犬がおもちゃを持ってついて来ようとしたら、おもちゃを取り上げて部屋の中に入れます。
サンが好きな物は、リビングで遊んでね
地道なトレーニングですが、短時間でも『飼い主の事を忘れて一人で夢中になれる』ならいいな、と思ってやっていました。
散歩を最大に充実させる
家ではあんなにくっついてくるくせに、いざ散歩となれば急に飼い主は必要なくなるのが現金な愛犬。これを利用しない手はないでしょう。
わが県は田舎なので、散歩コースに誰にも会わない場所があるのですが、難しい場合は車で人里離れてみたり。短時間、リードを長く、もしくはフリーにして一人遊びに夢中になれる時間があれば最高ですよね。
ボール好きなわんちゃんなら、『ボール探し』もおすすめです。愛犬に気づかれないように何個か散らばしておけば、狂ったかのように探しています。
愛犬が夢中になっている時は、そっと隠れてみて、アレ?と思うか思わないかくらいで登場。あくまでも、『わざと隠れている(意地悪されてる)』と思わせないように、さりげなく…。
今ずっといた?
いた
よく『分離不安には、散歩で疲れさせるのが効果アリ』と言われるので、私も以前、2回だった散歩を3~5回に増やしました。でも、数週間後も全く効果はありませんでした。
しかし、その散歩内容を考えてみれば…日中の眠い時間に何度も連れて行って、犬にとっていい意味での疲労というより、逆にストレスがたまるだけでないか?
散歩自体も、ただ連れてけばいいや、で(しかも、時間もないので急がせたりしているし)、全然『楽しい散歩ではなかった』のです。
眠い中急がされて、しかも一回りで排泄させすぐ帰ってくるような散歩に連れて行かれても、ストレス解消にはならない…。
ただ数を増やせばいいというもんではないんだ、と改めてじっくり考えなおしてみました。
回数を変えずに夕方のメインの散歩を充実させるようにしてみたのです。これは有効といえる結果でした。意識したことが以下です。
・時間を30分増やした
・彼の好きなルートに行かせる(我がままになりすぎない程度)
・くんくん嗅ぎを充分にさせる(前はめんどくて急がせたことも多かった)
・ボール遊びなど、走りまわる運動を取り入れる
・散歩中、たくさん目を合わせて話しかけ、一緒に楽しむ
・途中休憩を入れてコミュニケーションを図る
上記全て当たり前のことのようですが、私は散歩に慣れてくると省略しがちな日も多かったのです。
今一度、散歩中に愛犬がたくさん笑顔になっているか、愛犬側から『楽しいね!』と目を合わせてくるか、気持ちよい疲労を感じてそうか、帰った後に満足して眠くなっているか、寝る前に飼い主さんに(機嫌よく)コミュニケーションしてくるか、このあたりを確認です。
意外に思うのが、飼い主さんも散歩を楽しんでいなければ、ダメなんですよね。サンだけ楽しくても、私が嫌々行っていれば、彼もそれを感じるのか、満足度も下がるようなのです。(帰宅後の甘え具合でわかります。)
散歩中、二人でたくさん笑っている、こんな時間を毎日共有したいものです。
楽しいね!
留守番トレーニングと同じで、すぐに結果が出てくるわけではありませんが、あとから考えると、毎日の散歩の充実はかなり有効な手段でした。精神安定につながります。是非お見直しを。
太陽の光を十分に浴びせる
我が県は日照時間が全国ワースト1~2位で少ない県であります。真冬のサンの行動を観察していると、日中にわずか~に光が差す時、すかさず窓辺に移動して当たろうとするので関心します。
動物はその辺、人間よりも切実に感じている気がします、太陽が与えてくれる恩恵を。
そういえば。屋根の塗装メンテナンスで、半月近くブルーシートで家を囲まれた時は、私もあと数日長引けば発狂するかと思いました!
精神の安定に、自律神経の安定に、太陽を毎日浴びることはとても重要(一番重要なのかもしれませんね!)と痛感しました。
分離不安においても、太陽をなるべく浴びせる/あげないでは、治る期間も絶対に違うと思います。
雨ばかり。あ~イライラしちゃうぅ
『定説』と真逆の対処が良い場合もある
『出ていくときは30分前から犬に話しかけず、何もなかったように出ていく』、『飼い主お出かけ前のルーティンに変化をつけてみる』といったことがよく言われていることです。
私も実践しました。お出かけ前の「ご飯」「化粧」「歯磨き」などの順番を変えてみたり、準備はするが実際には出て行かない(休日に行う)など。
分離不安がひどくなるまでは、『お出かけ前の挨拶』を行っていたので、それも徐々に減らして、30分くらい前から一切構わずにそっと出ていく。
1ヶ月近く続けましたが、我が家のサンには、全く効果がないばかりではなく、悪化した感じがありました。
ルーティンを変えてもサンは絶対に気づくんですよね。しかし、休日に同じことをしても、どーせ家にいるんだろとわかるのか、興奮しないこともあるのです。これが不思議。
逆に、休日に長時間出かけようとするのを察知してパニックになることもあります。
今日は市外?
何でバレるかね~?!
飼い主から出ている『仕事モード』『休日モード』『早く出かけたいモード』の緊張感や浮足立ち感を、察知しているとしか思えません。
もちろん出さないよう努力しているのですが!犬はしゃべらないぶんだけ第六感的な察知能力が高いんでしょうね。
ですから、むしろ、『決まったルーティンに慣れさせる』ことを選びました。毎日同じことをして、飼い主が出ていくのは諦めてもらう。(どーせ出て行くんだから…)
そして、コミュニケーション大好き犬なので、出ていく前のご挨拶はしっかり行いました。その時のセリフは毎回一緒。
我が家では優しく、『お昼になったら来るからね』『夕方になったら来るからね』。(もちろん興奮させるような言い方は×です)
意味はわからないでしょうが、毎回同じタイミングで言われるこのイントネーションが、何かしら、一人になることを嫌がっているのをわかっている飼い主からのメッセージとして受け取っていたと感じます。
それから、『寝よう』『眠くなってるよ』の意味は何となくわかっているので、それも一緒に言ってあげます。(毎日、サンが眠そうにしている時に、『眠くなってるよ』、夜の就寝を促す時に『寝よう』で覚えさせた)
(実際に子守歌を歌ってみたことがありましたが、効果はイマイチでした。長くて嫌みたい?)
『寝かしつけ』です
言われると眠くなっちゃう
半月近くはかかったでしょうか、真逆のことをしていた時よりも徐々に改善されていく感じがありました。うちのサンにはこちらが合っていると信じて続けた結果、お出かけ前のバタバタはなくなりました。
7歳になるまでずっとこの方式で行っています。
とにかく何でも、一緒に楽しむ
『離れてさみしい思いをさせた分は、倍楽しませる』と意気込みました。犬は群れ意識が高く、お手伝いに喜びを感じるので、『何でも一緒に作業する』ことも行いました。
例えば、掃除をするときには、以前は『待っててね~』だったのですが、『これ持ってきて』とワイパーシートを持ってこさせたり、洗い物をするときには『サンはスプーン持ってきて』だったり、洗濯時は『ハンガー持ってて→ちょうだい』であったり。
意外と、犬ができることってたくさんあるものです。そしてやはり楽しいのか、協力的ですもんね。
はっきり言って、一人で待っててくれた方が100倍仕事ははかどるのですが。生きがいを感じてどこか誇らしげな愛犬に、あぁ、やはりこれが正しいのかと思う次第です。
何か?
呼んでない呼んでない
自立させるためには、なるべくお互いに依存しない方がいいのか?家でいる時は一人一人の時間を増やした方がいいのか?と悩みました。
しかし、これは飼い主との絆を深め、愛犬に“必要とされている”自信をつけさせる意味で併行して行うべきだと思います。散歩で疲れた頃に少し働かせて、離れてみるトレーニング、というのもおすすめです。
少し眠くなってるくらいなら、私は起こしてお手伝いさせちゃいます。(ガバっと起きて)結構張り切ってやってます。
『犬が眠い時は起こすとダメ』とよく言われますが、少し眠いくらいなら仕事を頼んだ方が生き生きして嬉しそうですよ。(間違ってたらすみません。個体差があるかもしれませんが)
もちろん、お互いの時間も大事ですから、愛犬が完全に疲れて眠くなったころにはお互いに少し距離を取ってゆっくりできればいいですね♪
最後に
ちなみに我が家のサンは、分離不安の問題行動としては、ほぼ『もらす/トイレから大量はみ出し』一択です。とにかく量すごいので私も一時は相当悩み、ノイローゼになりました。
特に、私がサンの問題行動に機嫌悪くなっていた頃には、改善の光は見られなかったです。早々に『諦める』ことも大事だと痛感しました。
もちろん、一生諦めるのではなく、トレーニングを行いつつ、まずは2~3日、一週間、心の広い方であれば、数ヶ月諦めて状況の改善を待ってみてください。
サンは分離不安の程度としては、決して軽度ではなかったです。それでも、成犬になって1年、2年と、3歳になることには相当落ち着きほぼ悩まなくなりました。
たまに雷などで不安定になっていますが、毎日連続ではないので私も心の余裕が出てきて、どんな失敗をしても笑って許せるようになるものでした。
ただ、一旦収まったかに見えた7歳において、また2ヶ月間発症したことがありました。若い期より程度が激しかったです。
理由は、異常に多かった連続の雷と、彼が足を怪我したことからきているとみましたが、何歳になっても油断はできないなと痛感しました。
留守番トレーニングはやりませんでしたが、散歩と日々の充実を強化して、元通りになりました。
私も面倒臭がりのせいか、色々とマンネリになりがち…。本当偉そうな事は言えませんが…、今悩んでいる飼い主さんに、絶対希望はありますからとお伝えしたいです。完全に治らなくても、半分以下になってくれば大分違います。
どんどん悪化していくようなら、それこそプロの出番かもしれませんが、少しでも毎日の変化があれば、どうか愛犬も頑張っている最中だと思うので、待ってあげてみてください!
お二人(匹)の幸せを祈っています!