いきなり愛犬が歩けなくなってしまった!人間と違って言葉が通じないので、介護も本当に大変ですよね。うちのサン(ゴールデン♂7歳)も足をくじいて1ヶ月以上通常の歩行ができなくなりました。
初めての事態に私も慌てて色々勉強し、愛犬のためにと試行錯誤をしましたが、それが裏目に出てかえって足を悪くしてしまったという事例をご紹介したいと思います。
(※サンは股関節炎で、骨折/脱臼はしていないです。)
私が失敗したな、と後悔した事例7つ
過保護にしない
「ある程度歩かせた方がいいけど、無理をさせてはいけない」って言われましても…。結局、どのくらい歩かせていいものか?この物差しって、結構難しいんですよね。
サンは、2日間、排泄以外はほぼ寝たきり(同じ個所から動けない)でしたが、3日目から少しずつ足を浮かせながら歩けるようになってきました。
3本足なので危なっかしいのです。健足がグキッといって更に悪化したら…そう思うと、私は水からご飯から、全部サンの口元まで持って行き、体制移動さえ「ダメダメ」と極力させず。
24時間犬部屋から動かさずに夜も一緒に寝ていました。これをほぼ1週間。
これで膝カックンとかしたらどうなるんだろ~!?
とバカな想像して怖がる飼い主
が、先生いわく、『犬にとって、人間以上に筋力低下と意欲低下がものすごく恐ろしいこと』で、歩く意思があるなら、無理ない範囲で歩かせた方がいいとのこと。
確かに3日目にして、恐ろしいほど、筋力がなくなっていたのです。健足と比べて、患足は骨の上に皮一枚、という感じ。
「じゃあ、家の中、例えば10mとか歩かせてもいいんですか?(まだ足引きずってんですが)」との質問に、「家の中くらいなら、全然歩かせて下さい!」とのお答え。…ははぁ。
散歩は何分までですか?
段差は禁止ですか?
でも相当痛そうだったら、やっぱ歩かせない方がいいんですか?その基準はどこですか?
…とか色々聞きたいが…
その日から、慌てて家の中はフリーで歩かせるようにしました。(といってもほぼ20畳の居間と廊下のみ)外の散歩は、サンの意欲の腹6分目程度に。
いつもの散歩の5分の1量を、5倍時間をかける感じでした。二週間は朝一回のみ。(家の周りぐるっと程度。)
休憩時間を多めにとって、
長く外にいさせました。
また帰宅後、玄関につないで
日光浴させたり。
太陽、大事ですね!
それでも、歩くと悪化する感じがあるので、大分怖かったのですが、先生を信じて続けてみました。今考えると、やはり少しずつ運動させて良かったと感じます。
【ちょい余談です:
でも、考えたら休日にしたって「寝たきりではなく、普通の日常生活」は送っていたのですよね…。考えが浅かった。】
あのまま筋力低下が進行したら、立ち上がることもできなくなったかもしれないし、サンは散歩に行けないことで毎日「絶望」という顔してどんどんメンタルが低下していました(鬱の手前と言う感じ)。
久しぶりに外に行けた笑顔を見ると、病は気持ちを上げることも重要なんだと改めて思いました。
サンをみていると、気持ちが上がるなら、多少の痛みと後戻りを代償にしても、そちらの方がいいと思う時も多かったです。
ちょっと悪くなってもいいから、外に行きたい
(と、言っているような…)
獣医の先生に確認するのはもちろんの事、また怪我の程度によって違いますでしょうけれど、愛犬に歩く意思があって、補助をしながらでも歩けるのならば、歩かせることを考えた方が良い、と学びました。
補助をしながらでも頑張って何とか一人で歩けるのに、私のように一切を禁止するような行為は、過保護でかえって良くないようです。(もちろん急性期は安静重視です。)
歩かせすぎない
前項とは少し矛盾してしまうようですが、「散歩の量に気を付ける」こと。当たり前ですが、ここがリハビリの肝だと痛感しました。
つま先だけでも地面について歩けるようになれば、どんどん遠くまで行きたがるんですよね。
今までの分を取り返してやるぅ!というように、ズンズン歩き続けるサン。いや~、まずい、明らかに足が疲れてきている…、飼い主はヒヤヒヤもんです。そろそろ心を鬼にして引き返さなければ…
(まずい…絶対まずい)
なぜ「帰るぞ」が言えないんだ私は…
しかし、愛犬が眼を釣り上げて「もっと行ける!(足何ともないから!)」もしくは、懇願顔で「もうちょっと行かせてください」と訴えてきたとします。
「…考えてみれば、筋力UPにはもうちょっといいかもな」とか、「私より本人がわかっているだろう、何せ第六感があるんだから」などの意味わからん言い訳が湧いてきて、出発前の計画より長く行かせてしまった私。
結果…やはり少し悪化。あぁ、これはもう、飼い主が悪いですよね!やはり、愛犬の将来のために、心を鬼にして、それも桃太郎くらいの鬼ではなく、羅生門の鬼くらいのすさまじい鬼を心しないと、私は。
疲れが見え始めてきた頃に家に到着、くらい(もしくはもうちょい手前)がサンにはベストでした。そのくらなら、その後も悪化しなかったです。
足に限界が来ると歩かなくなり、自ら座り込んで休憩するので、その休憩も1回までがベストでした。2~3回になると、少し悪化してしまいました。
「早歩き」も悪化しました。
リードを短く持って、ゆっくり、です。
わがままにさせない
とにかく飼い主が過保護にさせがちなもんですから、サンも少しわがままになりました。加えて、自分の身体が思うように動かない、今までのような散歩に行けないというストレスも大きいでしょう。
特に散歩中の反抗が目立ちます。以前のように私の指示に従わないことが増え、とにかく、「もっと歩きたい」「こっちに行きたい」「帰りたくない」と道の途中でストを起こすことも。
足が痛くて動けないのか、我がままで動かないのかの判別が難しい。前者であればと休憩させるのですが、休憩後にズンズン勝手な方向に歩き出すので、3割は反抗なのかもしれません。
家の中でも、少しムスッとしている感じで、私の話も聞こえないふりをしたり、言うことを聞かなかったり。
もうこんな犬生、嫌んなる
ストレスは相当だろうからなァ、と私も初めのうちは甘やかしてしまいましたが、やはり犬はどんどん調子に乗っていくものだと改めて思わされました。
何歳になっても、調子に乗り始めるとどこまでもです。これが長期に渡るとお互いの信頼関係にヒビが入るなと感じましたから、途中で気を引き締めるように心がけました。
太らせない
これも言わずもがななのですが。やってしまいました。もちろん、「関節炎に体重増加は禁忌」は十分わかっているのです。
サンは一度ダイエットしてから、どちらかというと細身をキープしていましたが、怪我をして逆に太らせてしまうという飼い主最大の愚行です。
まず、「散歩量が減る=ご飯はいつもより少なめでいい」という方式に気づいたのが数日後。加えて、少しでも楽しみをと、ちょびおやつを増やしてしまいました。
いつもは決してあげないシチュエーションで、サンがいかにも精気を抜かれた感じで横たわっていると、「サン、〇〇食べるか?」と一瞬だけの喜びを与えてしまうんですよね…。
その時だけ笑顔が
見れるもんですから
サンは有難いことに、歩けなくなっても食欲だけは旺盛でしたから、そうなると「散歩を取られた今、この子には食べることしか楽しみが…」と悪い方向に流されてしまうのです。
頭では、も~、100%ありがちなステップ踏んでんじゃん!とわかってはいるのですが。
1週間後、脇がちょいぷよに。慌ててまたダイエットさせて、2週間で戻りましたが、これこそ反面教師そのもの!病人に敢えて嗜好品を与えるというような。わかっていながらしてしまうというのはもう、大反省です。
具合も悪い上にダイエットかよ
マッサージに注意
愛犬の足に飼い主がしてあげられること。大体「マッサージ」を思いつかれるでしょう。
私も例外なく、動画から本から『愛犬のためのマッサージ』『犬のリハビリテーション』なる資料を読み漁り、よ~し今日から本格的に治してやるぞ!と意気込みました。
大体、飼い主が張り切ったときくらい裏目に出がちなものなのです。言い訳しますと、もちろん「愛犬が嫌がったらすぐやめる」「優しく、絶対強くしない」をモットーに行いました。
初めは股関節を触られるのを嫌がったので止め、その二日後は気持ちいいのがわかったのか、マッサ中に寝てしまいました。
そうなれば、張り切ってしまう飼い主です。あ~あ、言いたくないのですけれど、1時間もやってしまったでしょうか。
マッサ前は地面についていた足が、また3本足になってしまいました。そして、その後2日間は調子が良くなかったです。明らかに調子に乗りすぎました。
エー!?
なんでぇ!?
ひどォい絶対誰か
意地悪してる!!
でも、本当に優しく撫でていたくらいですよ、もちろん患足のみではなく、前足や健側も入れての1時間です。いや~揉み返しみたいなことなんでしょうか…。やりすぎがこんなに怖いとは!
それ以後怖くて2週間はマッサできませんでした。こんな飼い主じゃ、勉強も全然意味ないですね。どうかやりすぎには十分お気を付けを。
その後は10分に
とどめております
夜更かしさせない
私は夜に数時間パソコンをいじるため、愛犬が具合悪くなってから、二週間は我慢しておりました。
しかし少しずつ歩けるようになってから、そろそろいいかな…と深夜までカチャカチャやっていたところ、サンの足がまたちょい悪くなった感じがありました。
ちょっと良くなったと
思えば、すぐ調子乗るよね
人間だもの
というのも、私の仕事部屋と犬部屋はリビングですが、就寝時だけは私の寝室へ一緒に移動なのです。ですから、私が寝ないと彼も寝れないのです。
加えて、怪我してからは、安全のため朝の散歩は他人や他のわんちゃんがいない時間帯を選んで行くようになったため、通常より1時間半も早起きになりました。
こんな訳で、夜遅いと圧倒的に睡眠時間が不足します。「病を治すのは夜の就寝時。」はいはい、よくわかっておりますとも。明らかに、という程でないにしろ、就寝時間が長い方が、朝の足の調子がいい感じがあります。
今夜も早く寝んと。もう11:00pmです。何もできないんですけどね…、なんて愛犬家は言っちゃいけませんよね…。
爪をきちんと削っておく
ちょい赤べろに… |
これ、何のことかと言いますと。愛犬の爪切り時、最後にきちんと丸く削ってあげている方は関係ない項です。サンも私も爪切りが苦手なため、大抵が完璧にやすりをかけるとこまでいかないのです。
結果、サンの左頬に生傷ができました。発見したとき、何でそこから血を流している?!とビックリしました。
答え:
Ⓐ飼い主にやられた Ⓑネコにやられた Ⓒ爪が尖っていたためカキカキした時に傷がついた
犬って、後ろ足で顔や頭をカキカキしますよね。サンの傷がついたのは、患足側の顔でした。答えは©の、散歩で患足を浮かせがちなので、爪が地面で削れなかったんですよね。
今まで何度やってきたかわからない爪切り、ほぼやすりがけができていなかったのに、こんなことは初めてでした。
また、散歩といっても数10mしか歩いていないのに、他の3本足はそれでもちゃんと削れているってことですよね。何だかダブルでびっくりでした。
数10m、たった
一回の散歩で!
はー、どんだけ足がついていないのか…、ちょっと落ち込みましたね。落ち込む前に、ちゃんと削ってやれよですが。
自分もそうですが、具合が悪くなると「今まで無意識でできていたこと」の一つ一つの重さと有難みを感じますね。いやはや。
一緒に落ち込まない
「愛犬の前で落ち込んでしまう。」この悪影響力はすごいもんです。初めの頃は私に余裕がありませんでした。
痛そうにしているサンを見ると泣いてしまったり、一歩進んで二歩下がる足の状態に、浮かれたり落ち込んだりと、感情の起伏が激しかったです。
私がそんな感じだと、サンの精神状態も悪化してしまうんです。天真爛漫さがどんどんなくなって暗くなっていく。
こんところ、人間と本当に同じですね。本人が一番辛いけど、家族も結構キツイ、一緒に暗くなってしまう悪循環。
犬は飼い主の声や表情などにとても敏感なので、私が暗いので「あぁ、自分はもう良くならないんだな」と悟ったような顔をします。本当にそう思ったんじゃないだろうか。
(泣くな…泣くな)
何、やっぱ相当やばいの?
やはり「病は気から」は犬も間違いなかったです。精神状態に比例して、意欲が低下し、足も良い方にいかないという。
例えば、雷恐怖症で愛犬が騒いでも、飼い主は平静でしら~としてた方がいいということがありますね。それと同じ感覚でした。
カラ元気を出す必要は全くないですが、「そのうち良くなるさ♪」のスタンスで、いつもと変わらず接することが、本当に大事だなと思いました。これが一番難しいことですけれど…。
最後に
考えたら、「絶対やっちゃダメでしょ」と言われそうな当たり前の事項ばかりでした。わかっていても、実際経験するとやってしまうのですよね、これが…。
私は今まで、飼い主としては、まぁ100%には程遠いけど、70%くらいはよくやってる方かな♪…なんて思っていましたが、今回のことを考えてみると、「飼い主としての心得」の重さがどーんと圧し掛かってきたような気がします。
今回は足をくじいたくらいで済みましたが、もっと年を取っての病気やケガを考えると、飼い主の自覚をしっかり持ってサンのことを第一に考えねば、と改めて反省した次第です。
愛犬家のみなさんが、私を失敗例を少しでも反面教師にしてくだされば、本当に嬉しいことです。
辛いけど、頑張ろうね