犬を飼うことへの最大の難関は『家族への説得』。私も、大反対であった動物嫌いの母を攻略するのに相当苦労しましたとも。
犬を飼いたいと思い立ってから、半年以上はあの手この手で説得しました。
しぶしぶ…といった感じで不安が残る母でしたが、ゴールデンレトリーバーのサン君(♂)実際に飼ってみて7年、今の心境はどう変化したのか正直に答えてもらいました。
(飼う前の大まかな反対要素を10項目挙げてもらいました。項目によっては、内容がかぶっていることをお許しください)
母が主張した反対要素10項目
【反対要素1】根本的に、家の中で犬を飼うというのはあり得ない
昭和20後半生まれの母。犬は外に繋いでねこまんま、というのが当たり前だった時代。30年前、私が子供の頃に飼ってた犬も、ご近所さんもみんなそうでした。
母にしてみればの「ケモノと一緒に生活なんて、とんでもない」は理解できます。
【7年後の母の結論】************
一緒に暮らせてよかったです
・犬の表情や動き、喜怒哀楽がそばでよくわかり、とても愛らしい
・一緒に住むことで、関係性が近くなっていくのが楽しかった
・犬の良さを知れると同時に、『犬』と暮らしている感がなくなった(もはや人間)
【私の補足】****************
サンの適応力にも感謝
一緒の暮らしをすることで、どんどんサンが人間化していくことに私も驚きました。犬ってすごいもので、私に対しては『体当たり、好き放題』で、母に対しては『極限までおさえめ、愛情豊か』に接するのです!!
はァ~、これですからね、犬の(ズル)賢さと判断力に脱帽、感謝です。
【反対要素2】旅行に行けなくなるので、自分たちの楽しみが取られる
母はとにかくお出かけ好き、買い物好き。
都会から田舎にお嫁に来てしまったので、定期的に都会で遊び、営気を養いたい人なのです。それも一人でなく、みんなでワイワイ行きたい。
サンも半日留守番なら大丈夫だけれど、丸一日以上、お泊りなんてことは絶対に無理。県外にみんなでお遊びに行くことは夢のまた夢になってしまいました。
【7年後の母の結論】*************
「誰かがサン係」は時にすごくストレス!
・好きな時/必要な時、に思うように時間が取れない
・家族全員で一日旅行できないのが嫌!
【私の補足】****************
旅行に関しては、ほんとゴメンナサイです
旅行は諦めるにしても、『冠婚葬祭』など、総出での出席行事があった場合はまいっちゃいます。
場所によっては、用事が丸一日かかることもあります。「スイマセン、犬が心配なので帰ってもいいすか」などと言ってしまったら、一定数から20年は白い目で見られそうだし…。
だったら初めから一人、サン係で留守番になるか~とか、予定通りにいかず大変なのです。
ホテルに関しては、可哀そうだし特別必要もないし(その時は)で慣れさせなかったので、今さら預けることができなくなりました。何でも初めが肝心ですね…。
【反対要素3】飼ったら一生物、途中で投げ出せない(最後まで面倒みれるのか不安)
小動物なら許せるが、『犬』となると、各段に大がかり。散歩があるし、家で飼うとなると存在感も大きいです。
『しつけがうまくいかず、途中で問題が出てきたら』などの不安はやはり飼ってみないと答えが出ない不安ですよね。
【7年後の母の結論】*************
『ペット』でなく『家族』になっちゃったから責任感も想像以上に
・当たり前だが、サンは一人で何もできないからお世話係(私)が大変そう。散歩も一人で行ければねぇ…
・自分ももちろんそうだが、サンに何かあった時の娘(私)の状態が恐ろしい…。考えたくない。
【私の補足】****************
腕の見せどころ
この辺の母の不安は、飼いたい者(私)の責任ですよね。もちろん、『私一人で世話、母には一切をかけない』旨を言ってるので、ここに命をかけるのはもちろんのこと。
第一前提として、『(お利口だね~と言われる程度の)しつけ』、『(母が不快に思わない程度の)身体ケア』ここは、絶対母に不安にさせないように気を配ったことろです。
【反対要素4】ひろ(私)が具合悪くなったらどうするの
サンは、約35㎏の大型犬なので、散歩や風呂などの身体のケアは母では体力的に無理。
一応、ある程度のお利口に育っていますが、何か外的なトラブルに遭うことなどを考えると、私もサンよりも母が心配で預けられません。
【7年後の母の結論】*************
私も、もうちょっとお世話できると思ってた
・申し訳ないが、母一人ではサンのお世話ができない
・そばにいるだけならいいけど…
・自分の体力も年々落ちるので、サンと対等に対応する自信がなし
【私の補足】****************
ずっと変わらぬお世話してね
今のところ、私が倒れたり、数日家を空ける用事はないために、母に迷惑をかけずにすんでいます。
が、サンを飼い始めて7年、母も年々衰えてきているので、最悪な事態にならないように、日々健康に気を付けねばと思う次第です。
我が家は母と二人なので、サンの問題は私の責任として、重くなる肩を痛感します。
【反対要素5】毛が汚い、(特に食事関係への影響が気になる)
我が家は自営なので、毛の不安はとても大きいようでした。仕事の服や用品につかないよう、仕事部屋に毛が入らないよう、今でも相当神経を使っています。
【7年後の母の結論】*************
慣れたけど、想像以上にすごかった!
・当初より大分気にしなくはなる
・しかし、どこもかしこも毛。浮遊してるし、体内にも入ってるんでしょうね
・大好きなパン作りはあきらめ、料理も他人におすそ分けができなくなった
・でもサンは悪くないよ…
【私の補足】****************
ゲートの設置が大きかったです
やはり、キッチンは女の領域(なんて現代では言えないか)。我が家でいえば、母の城ともいえます。
母がストレスにならないよう、ダイニングとキッチンの間にゲートを設置しました。
これで、サンは入れず、毛も最悪キッチンにはダイレクトにいかず、母も安心したようです。
しかし毛は浮遊し、物を通じて容易にキッチンにも侵入します。サンも反抗期にゲートをぶっ壊して入っていて、母が荒れ狂っていましたが。
普段は立ち入り禁止をわかっているので、入ることはありません。
【反対要素6】鳴き声は大丈夫か(ご近所迷惑、自営であること)
仕事場と住居が同じということもあり、住宅街でお隣ともぴったりなので、鳴き声は毛以上に不安要素だったようです。私もその点が一番の不安要素でした。
【7年後の母の結論】*************
想像以上にお利口!
・鳴き声全くなし、有難い!!心配していた仕事や、ご近所さんへのご迷惑一切なし。
・反抗期時/雷時の留守番は、遠吠えすることもあるが、気になるほどでなく、すぐにおさまる。
【私の補足】****************
人間ってよくしゃべるよね
恐らくゴールデンは、ほぼ無駄吠えをしない犬種です。ですが、要求時に『ワン』くらいは言うようなので、癖にならないよう、しつけに気を配りました。
初めの『要求吠えワン』を見逃さないようにし、『ワン!』と同時にビシッとだめ!と強く言ってから以後、一言も発しない子になりました。
あまりにも無口なので、たまには声を聞きたいのですが…。
【反対要素7】家にトイレを置くことに抵抗
我が家の犬部屋はダイニングキッチンなので、当然、そこにトイレも置かないと…。
ベランダや廊下も考えましたが、結局、冷暖房でドアや窓を閉めるので、サンが留守中トイレに行けないことを考えると。
これは、発狂寸前に嫌だったようです。そりゃそうですよね。犬を飼いたい私でもちょっと抵抗があったんですもん。しかも大型犬なのでトイレもブツもデカい!
【7年後の母の結論】*************
まぁ思った以上に慣れましたよ
・これは困った。DKに置いてるので、当初はニオイ、汚れ、不潔なイメージがぬぐえず、同じ部屋で食事が嫌だった
・でも嫌な気持ちより、サンが食べ物をおねだりする(ヨダレ垂らしながら)姿が可愛い方が上回る
・家に犬用トイレがある便利さを体感し、今は自分の中で気持ちが消化している
【私の補足】****************
掃除命
多少、工夫しました。すぐに換気ができるよう、ベランダにぴったりつけて置き、空気清浄機ももちろん(サンに壊されたが)。
トイレが直で見えない様、トイレ周りをPPシートで囲うこともしました。
見た目がダイレクトで見えないことで、大分違います。
周りに観葉植物なども置いたりして、見た目にもヨシ、O2効果にもヨシ!
【反対要素8】動物臭が不快(昔はみんな臭かったので)
若かりし頃の母の思い出。家で犬を飼ってい家は、玄関先から臭い。
これ、他の方もおっしゃいますから本当にそうだったんでしょうね。でも、今でもそんなお家もありますよね。
大部分が、トイレ関係かと。
例えば、もったいながって、トイレシーツを何度も使う。カーペットを犬のために敷きつめるのはいいが、おしっこ足跡が敷物に染みついて掃除できていないパターン…。
やっぱり住人は慣れちゃってわからないんでしょうが…。
うちでは、居間にトイレを置くということで、母は尚更嫌だったでしょうね。
【7年後の母の結論】*************
全然OK
・昔は、『犬を飼っている家=臭い』のイメージがあったが、今はそんなことないみたいだ!
【私の補足】****************
許せる臭いのボーダーラインって個人差大きいですね
雨の日に締め切った部屋に入ると、たまに臭うことがあります(留守中に排泄していた場合)。
私は鼻が良い方ですが、あまり良くない母は全く気にしていないので助かっています。
当たり前ですが、排泄したらすぐ掃除、キレイを保つことにより、臭いを気にすることはまずないです。
サン自体の臭いですが、風呂をサボるとちょい動物臭がするくらいで、飼い主にとっては可愛いかぐわしき香りです。逆に、シャンプーしたてより、ちょい臭う方が好みです。
狭い車内では、弟に『犬臭い』と言われます。やはり、一緒に住んでいて臭いに慣れている事を自覚せねばな、と思いました。
【反対要素9】(大型犬の場合)大きさに恐怖
母は、150㎝の40㎏体型。骨も細く、全く体力ないタイプです。サンは、ちょいぽちゃ時は39㎏までいきましたから、自分とほぼ変わらん体重の動物に、恐怖感があるでしょうね…。
犬好き、動物好きなら、大きいほどわくわくしちゃうものですが、嫌いともなれば、やはり。
【7年後の母の結論】*************
大変な時期が過ぎれば、大きいメリットも大きいかな(でも大変だったよ…)
・しつけ時に飛び掛かってきた時は、恐怖よりも『ここで負けてなめられたら終わる』と死ぬ気で戦った
・まぁ、成犬になって体重が増えた頃には落ち着いてくるからね…
・大人しくなった今は、ふわふわモフモフで可愛い、温かい
・ゆったり堂々としている大型犬の良さを知っった今はとても愛おしい。犬のうるさいイメージが払拭された
・雪国で寒がりには重宝する
【私の補足】****************
愛しさと、モフモフと、可愛いらしさと~♪
反抗期のサンに本気で飛び掛かられると、私でも怖いくらいでした。母には恐怖を与えないようにとても神経質にしました。
母と二人っきりにしない、母に反抗を見せたら強く叱る、母を上に立てるなど…。
それでも二人っきりになってしまうこともあり、『今日は大分戦った』と言われると、何も申せません。
母も大分負けず嫌いなので、何とか半年の反抗期を凌いでくれましたが、本当に申し訳なさと感謝の気持ちです。
【反対要素10】元々、動物が好きじゃないので一緒に生活することに不安
メダカくらいならいいけれど、また他の家族が自己責任で100%世話できるならいいけど、『犬』なんて、多かれ少なかれ、絶対私も関わらなきゃいけないじゃないか。
なぜ、この年で、動物嫌いなのに動物と一緒の生活をしなきゃいけないの~。
…すみません、そうだよね。私は動物大好きなので、お互いに理解ができない部分なのですが、この度は母が妥協してくれ、有難や。
【7年後の母の結論】*************
一緒にいてくれてありがとう
・もちろん動物は好きじゃない、しかしサンは別!!
・縁あって一緒に暮らし、良いとこ悪いとこあるが、お互いの全てを飲み込み共に生きていく、との思いです
・サンから学ぶことも多い※、嫌いだった動物にも尊敬の念が
(※…不調時は食べずに休養第一、太陽の光を常に意識、家族落ち込み時の寄り添い方など)
【私の補足】****************
頑張って説得してみるもんだなァ
まァ、世の母親というのは愛情深いので、結果いい方向になるってことはわかっていたのですが。
何より、しつけがうまくいったこと、サンが想像以上に可愛くお利口に(母に対してうまく立ち回る)育ってくれたことが前提ではあるので、ホッとしました。
あんなに激しく大反対だった母にこう言ってもらえて、サンとハイタッチ!の気分です。
結論(結局のところ、どうなのよ)
【7年後の母の結論】*************
もちろん、飼ってよかった!!
・飼う前の不安は、90%以上解消されました。飼う前は、『とんでもない』と思っていましたが、サンとの生活に今は感謝の気持ちです。
・今だ悩まされるとすれば、遠出外出できないことだけど、それもしょうがないと思っています。
・ちょこちょこあるけど、サンの可愛さが勝るので、飼ってしまった弱みです。あとは、健康で長生きして欲しい。これからもずっと一緒に過ごしたいので…。
【私の補足】****************
そう言ってもらえてヨカッタ!
他、大型犬ということで、経済的なことの指摘もありましたが、飼ってしまえば『サンにかかるのはしょうがないよね』と言う感じ。しめしめ。
私の感覚でも、サンのご飯や用品にしても、高価な物は選ば(べ)ないし、どうでもいいトイレシーツなどはネットで最安値を探しまくるので、思った以上にそれほどかからないかも…という感じです。
初めは、サンの物は全て私のお小遣いから、とか何とか言っていましたが、結局は、ほぼ家のお金で出してもらってます。
しかし、怪我や病気になられると、ドン!!と飛んでいきますので、子犬時から『わんこ貯金』は必須です。
【大型犬を飼いたかった私が家族を説得した方法♪】