『愛犬は飼い主に似てくる』といいますが、これは犬の方で飼い主さんにもっと寄り添いたいと思う気持ちから、行動や表情に現れてくるんでしょう。
ゴールデンリトリーバーは、特にそんな思いが強い犬種の一つです。数年も一緒にいれば、彼らが私達とは全く違う種別であることを忘れてしまいます。
しかし、ふとした瞬間に、『やっぱり君は犬だったのね…』と再認識することがあるんです。そんな(ちょっとくだらない)小話を挙げました。
『やっぱ君は犬だった』ゴールデンの7つの話
足が速い
当たり前のようですが。
ゴールデンは性格も所作もゆったりとしている犬種です。歩き方も優雅で、飼い主思いなので、散歩中も飼い主を気遣ってくれるところがあります。(もちろん、遅すぎると無情にも置いてかれる)
ボーダーコリーやシェパードなどのように運動が得意な犬種に比べてもアレなんですが、遊びぶりを観察していても、思ったほど体力はないし、身体能力もそれほど高くなさそう。
『歩く』のは永遠と歩き続けるが、『運動』『遊び』になると体力持たない感じです(うちのは)
アジリティを見ても、ボーダーコリーなどは、惚れてしまう完璧なカッコよさ。
対してゴル氏は、いやもちろん素晴らしいのですが、どこかおとぼけなイメージが頭から離れず、にやけ顔になって観てしまう。
ふと、『もしかして、私の方が足速いんじゃないのか?』とチラリと頭をかすめて、かけっこしてみるという、無謀ともいえる行動に出る飼い主。
結果はもちろん、『調子に乗っちゃって申し訳ありませんでした。』
そりゃそうか。決してバカにしたわけではないのですが、もしかしたら…と思ったもんですから。本当にごめんなさい。
なんでそんな考えになったんだろね
敵とみなすと結構怖い
私が愛犬サンに対して、恐怖心がよぎったことがあります。
それは、散歩中に他の犬がサンに向かって攻撃を仕掛けてきた時、野良猫が飛び掛かってきた時。
サンは『ワン』一つ言わない犬なのですが、散歩中にいきなりうしろから吠えながら突進してきた大型の子がいました。
飼い主さんがリードを離してしまったようです。その時サンは、地鳴りするような猛獣様の声で吠えたて、攻撃体勢をとりました。
私も恐怖でその時の記憶がありません。恐らく飼い主さんも私も必死に引き離したのでしょうが、ほっといたら血をみる争いになっていたかも。
無事その犬と別れて私を見上げるサンの顔はもう穏やか。そんなサンを見下ろし、私はサンに対してどこか畏怖の念が…。
『…?どうしたの?』とでもいうようなオトボケなお顔が逆にホラー。
ひろのサンじゃないぃ~
野良猫において。
私たちが知らずに彼らのテリトリーを侵したもんなのか、公園散歩中にいきなりサンに横から飛び掛かってきました。小さくても猫は敏捷で性格も強いので、怖かったです。
普段は猫に威嚇負けしてしまうサンですが、その時は命の危険を感じた様で応戦しました。(二人の戦いが素早過ぎて、私は目で追えなかった)
気づいた時には猫は逃げ出していて、サンの口には血が…。
ちょっと声かけずらかった。
サンが怖かった。
どうやら、サンの方には怪我がなかったようです。(猫好きな方は、不快な思いをさせてごめんなさい!その後もその猫を見たので、無事だったようで良かったです)
君にも野性味が潜んでいたのね…、今まで理不尽なことをしてきてごめんなさい。大丈夫?怒ってない?
第六感あり
動物の第六感。
私は犬を飼うにあたって、これを大いに期待していました。犬を飼うことによって、多少なりとも、自然宇宙の法則なるものを察知できたら、こりゃすごいぞ。
しかし、一番わかりやすい地震に関していえば、大変残念な結果です。
私は以前の大地震を経験してから、異常なくらいの恐怖症ですが、逆に私の方に第六感があるくらいです。
役立たずめ
寝ている時に、なぜだか知らないけど急に『ハッ』と目覚めて、その数秒後に地震が来た経験、みなさんもありませんか?私はそんなことが結構あるので、何かしらあるのではと思っています。
(魚などが感じる、地震直前に発生する強力な電磁波?P派でしたっけ?など)
私が飛び起きた時に、サンはすーすー寝ている、何だろ?もう一回寝るか、と思ったら揺れはじめたということが度々なので、地震に関してはサンには期待できないと諦めました。
事前に気づくペットたちの動画って、たくさんありますよね。サンの場合は、地震の規模が小さすぎるからなのかなぁ。
まあ、直前にパニックになられても、それはそれでこっちの恐怖心を煽るんですけど。せめても1分前くらいには察知してくれれば、有用なのですが。
まあ、暴れられても対処に困る
地震よりも非科学的な話になってしまうのですが、人間世界でいう、『霊感』についてです。
我が家の散歩コースに病院があって、ご年配の方を専門にケアされているので、定期的に哀しい場面に遭遇することもあるのです。
ある日に、サンが病院のある道路に面した通用口の前でめずらしく吠えたてるように興奮し、そのドアに憑かれたように離れないことがありました。
…何やら…
周りに誰がいるわけでもないし、そのドアの向こうで何かやっている雰囲気もないし…。
その時は、サンの異常さにびっくりしたものの、何とか引き離して忘れてしまったのです。
後日、私一人でそこを通った時に、ある場面に遭遇。道路には霊〇車が停まっていて、その後ストレッチャーに載せられて病院から出ていかれる方を見ました。
その通用口は、恐らくそのお見送り専用のドアであったのです。
サンが、何事かを察知したのかは不明ですが、その時にすぐ彼の行動を思い出して、寒気がしたものです。
オーラとか電磁波とかなのかな
真夜中に、家に一人きりでいる時に限って、サンがドアに向かって異常な行動をする(まるで見知らぬ人がドアの向こうにいるような)ことがあります。
思い当たる懐かしい人がいないわけじゃないので、そういうことなのかな~なんて思ったり。
実際どうなんでしょう。サンと会話出来たら、絶対に聞いてみたいですね!
飼い主の異常を恐ろしいほど察知する
人間も、生まれた時には第六感が備わっているが、成長していくにつれ、徐々にその能力が失われていくと聞いたことがあります。
お母さんを慕う子をみていると、確かにと思います。会話はままならない赤ちゃんや幼児ほど、お母さんの変化を驚くほど敏感に察知しますね。
犬も会話できないからでしょうか、飼い主の行動に驚くほど敏感です。私がストレスがためても、サンには必死に隠そうと普段を装うのですが、100%見抜かれてしまって、心配をかけてしまいます。
これが、自立心が強いネコや他の犬種であれば、また違うのでしょう。
ゴールデンの場合は、人間側に寄り添いたい思いが強すぎるので、私の心身が不安定な時は、サンも不安がり不安定になってしまうのです。
飼い犬元気は飼い主元気
飼い主の体調においてもそうです。『医療アラート犬』なる訓練された犬は、飼い主さんの低血糖や、血圧・心拍の異常を感じ取り、危険を教えてくれるという、ものすごいわん君です。
訓練されていない子でも、『教えてくれるかくれないか』の差であり、感知していることはある程度しているのではと思います。
私も本当に倒れるくらい具合が悪い時は、サンが身体を温めてケアしてくれたことがありました。(ちょっと異常な行動だったのでびっくりしました。)
このような犬の感知能力は、数段人間より優れていると感じます。オオカミ時代から家族を形成し、家族の不調が自分の命の危険にも直結したりするから、ということもあるのでしょうか。
何があっても、散歩とご飯だけは頼みますよ
嗅覚が異常すぎる
犬といえば、『鼻がいい』というのが思い浮かびます。人間の1万倍だとか、100万倍だとかいう説がありますが、飼ってみるとその嗅覚にやはり驚かされます。
わかりやすいのは、愛犬の好きな食べ物(というか、好きでなくても自分が許された食べ物なら何でも)の匂いを察知する時。例えば、ダイニングキッチンで愛犬が寝ている状態をご想像ください。
・冷蔵庫から出しただけで後ろにいる
・テーブルの上で動かしただけでそばに来る
・5メートル以上離れた状態でも、飼い主の口に入っていればバレる
匂いの強いものならまだわかるのですが、例えば、冷めきったご飯など。人間には無臭と思えるのですが、やはり匂いは発しているんですねぇ。
正直、彼がどれほどの嗅覚を持っていようとも、飼い主にとって役には立たんのですが(ひどい)、逆に『愛犬と同じ部屋では(彼の好きな)ものは食べられない』というプチストレスがあります。
あーあ、あげなきゃヨカッタ
我が家の場合では、焼き芋、りんごなど。私も大好きなのでゆっくり時間をかけて食べたいのですが、そばでヨダレを垂らしながら切なげに待っている彼。
あげても、0.8秒で食べ終えて次を待っているので、こちらは全然食べた気がしないのです。
少しでいいから、食べる速度の足並みをそろえて欲しいもんです。
(人間にとって)汚いところが大好き
あまりに人間っぽいので、自分が生んだのではと錯覚していたが、やはり犬の子であったか…。と思う瞬間。
『散歩中、汚いところが好きで不快すぎる。』これです。
雪国における雪解けの汚い道。道路に意地汚く残っている雪山。泥が混じりで黒くなり、ポイ捨てゴミも加わって相当汚い。
ほぼ道路に雪はないんだから、真っすぐ真ん中を歩いてくれれば、何も汚れることはないのです!
それなのに、あえて汚い雪山につっこんでいき、ほっとくと数分もくんくん。
はァ~かぐわしき
我が家の愛犬もそうなんですから、他のわんちゃんも同じ行動をとる故に、匂いが気になってどうしようもないんですよね。
それは十分理解しているものの…、雪山に限らず、泥でぐちゃぐちゃの並木道、柱の根本のどろどろ部分。もういい加減にして欲しいです。
やめてくれ |
愛犬の数少ないお楽しみを、飼い主の都合で取り上げたくはないのですが、1時間の散歩中、45分は汚い所を歩くサンに対して、これだけは止めて頂ければなァと強く思う点です。
また、テーブルの下で、飼い主の食べ落としがないか狙って待機していることがあります。昔、東南アジアに行ったときを思い出します。
屋台でご飯を食べる時、まー小汚い屋台の床に寝そべってお客さんの食べこぼしを待っているガリガリに痩せた野良犬君たち(もちろん犬だけでなく、私達の同胞も…)を思い出して、切なくなってしまいます。
最近、またちょいぽちゃになってきた愛犬に対し、『お前がどんなに恵まれているか…云々』をうざがられようとも、語らないわけにはいきません。
カリカリご飯をうまそうに
“人間であれば受けつけられない”パターンとして、前項と似ているのですが。
散歩帰り直後の『ご飯ちょうだい攻撃』。こっちは犬じゃないんだから、1時間半もの歩きどおしに、帰宅したらとりあえず一息つかせて欲しいものです。
「ったく、次から次へと…」とぶつぶつ言いながらも、ご飯に飛び込んでいく愛犬をほほえましく眺めながら、「よく、この毎日変わらぬカリカリをうまそうに食えるもんだな」と感心してしまいます。
人間の欲望に比べたら、本当に動物ってエコだなァと思います。
『シンプル』ってエコよね
毎度のカリカリには申し訳ないとは思いつつも、『愛犬のための手作りごはん』なるについては、本を買っただけで終了した私。
「ちょっと一粒ちょんだい」と言う気すら出て来ない物をガツガツやっているのを見ると、『やっぱり人間ではない』と改めて認識する飼い主です。
やっぱ、犬になりたいとは思わんわ(申し訳ないけど)
最後に
もし、犬をこれから飼おうと思っている方に。
犬って本当に愛おしいものですよ、と是非お伝えしたいです。これほど、飼い主や家族に寄り添ってくれるの?と、彼らの愛情には感動してしまいます。
恐らく…どんなに飼い主側が可愛がっていたとしても、愛犬側の愛情には到底敵わないんではないかと思います。
人間には、愛犬の他にも愛情や楽しみを向ける対象が、たくさんありますもんね。だからこそ、彼らの思いを100%受けとめられる包容力が欲しいですよね。
私も、今の幸せをもう一度噛みしめ、愛犬を更に可愛いがらなきゃと思います。
犬でも人間でもどっちでもいいんだけどね