天使のような小犬期もつかの間、数ヶ月後に必ず訪れる反抗期。大型犬は破壊力も相当どデカいんだろうか…?ちょっと不安になりますよね。
うちのサン(ゴールデンレトリーバー♂)を迎えたのは4ヶ月の青年で、すぐ反抗期がきました。(大型犬にしては早いです)
これから大型犬を飼う方に「反抗期の暴れ具合はこんな感じで」「このくらい経てば落ち着いてくる」というのを、私とサンの経験からお伝えしたいです。
もちろん、個体差があり、生活環境によって大分異なりますが、一参考例にしてみてください。
暴れ方とその期間
暴れ方といっても、❶「反抗期によるもの(対人/対物)」と、❷「半永久的に油断できない問題行動」の二種類に分けられます。
反抗期は必ず終わります
から勘弁してね
❶「反抗期によるもの」は、対人と対物があります。愛犬が寝てる時以外は、いつ反抗してくるか油断できないです。家で遊んでいる時、散歩時、突然飛び掛かってきたり、噛みついてきたりします。
物への破壊も激しく、大きな家具や電気製品にも向かっていきます(対物はほぼ一人で留守番中の行動)。
大型犬の反抗期は、生後半年過ぎから始まり、一年くらいで終わるのが平均的なようですが、サンの場合は4ヶ月過ぎから、半年間くらいでした。その後、1歳半~2歳前後で第二次反抗期がきます(ない子もいるらしい)。これは第一次に比べてとても短く、サンの場合も1ヶ月以内で終わりました。
❷「半永久的に続く問題行動」は100%に近いくらい、愛犬一人の留守番中にやってます。もちろん、成犬になって心が成長してくれば、ほぼなくなります。ただ、どれほど年をとっても、愛犬が苦手なシチュエーションが留守番時に起こった場合は、問題行動につながります。
さて、問題行動の内容はどんな感じか?サンの例を下記に挙げました。
【A: 今までに破壊されたもの】【B: 飼い主(家族)に対する反抗】【C: 半永久的に続く問題行動】に分けてご紹介します。
A: 【対物】今までに破壊されたもの
手段 噛む/なぎ倒す
※「歯の抜け代わり時期」が反抗期に重なってあります。その時期は歯がむずかゆいという理由があるので、噛む行動はしょうがないといえます。
状況
・噛むことによる破壊は、人がいるいないに関わらず、常にやっている。
・倒したりする行動は、100%一人で留守番中の行動。誰かがいれば全く問題なし。
期間
・噛むことによる破壊は半年で完全になくなる。
・倒すなどによる破壊はストレスにより半永久的
【サンの例】
・テーブルセットのイスを3脚 (脚を噛む) 歯茎がかゆいのもあり、人がいてもやる行動。木製は危険。
・TV (倒す/コードを噛む)
・壁に設置されているインターフォン (飛びつく)
・電話機 (載せている棚ごと倒す)
・自分のケージ (脱走時にドアのステンレス格子を噛んで)
・扇風機、サーキュレーター類 (押し倒す)
・ソファ(爪)
・網戸 (爪)
・ぬいぐるみ(噛みながら激しく振り回す) これだけはストレス時に人がいてもやる行動。一生続く。
破壊系に関しては、他の飼い主さんの話を聞く限り、サンはまずまず平均的かな、という印象です。サンは、一人で留守番の時間が長く、平日は約8時間一人です。もし一緒にいてくれる家族がいれば、もっと被害は抑えられたでしょう。
ケージに関しては、夜は一人で寝てもらうというトレーニング中に起こったものです。2年以上頑張ってくれたのですが、夜間に雷があってから脱走を図るようになり、完全破壊に至りました。
したくて脱走してるわけでは。いちお、楽ではないんよね
ソファや網戸の、爪による被害に関しては、ネコのように「ひっかく」目的ではありません。その物を移動したい、外に出たいなどの前足を使った行動によるひっかき被害です。
B: 【対人】飼い主(家族)に対する反抗
手段 ちょっとでも自分の意に沿わないことを飼い主がしたときに、飛び掛かってくる/噛みついてくる
状況 反抗期に必ず通る道であり、問題行動ではない
期間 半年くらいで完全におさまる
【サンの例】
・噛みついてくる (血が出る2歩手前)
・飼い主の服を噛んで引っ張る(袖が再起不能)
・飛び掛かってくる (同ヴェロキラプトル)
・マウンティング(飼い主無防備時の背後からやられる)
・ご飯を食べない(ご飯よりおやつが欲しい ※サンの場合ね)
この辺は、ザ・反抗期という感じです。サンは、おもちゃで一緒に遊んでいる時に取られると思うのか、いきなり噛みついてくるパターンとその流れで袖を噛んで引っ張るという行動が主でした。
また散歩中に自分の行きたい方向に行けない時、大好きな公園から帰ろうとする時にいきなり飛び掛かって噛もうとしてくる行動も多かったです。
これは、結構怖い!歯をむき出して飛び掛かってくるって…私をその後どうするつもりなの?
まさか食う気?
でもサンは、迎えた当初からこんな感じだったので、4ヶ月に私と出会うまで色々病むこともあったのかなぁ、なんて分析しています。
ご飯を食べない、は2週間ほどストを頑張っていましたね。長期心理戦です。私も多少精神が強くなったので、我がままを通さず食べないなら下げる、を繰り返していました。この行動は3歳くらいにも1週間ほどありました。
この辺は「孫氏の兵法」などを熟読するべし。
「動かざること山のごとし」の精神です。
C: 半永久的に続く問題行動
手段 反抗期の破壊よりはソフトな感じだが、デカいだけに、やった本人もびっくりの被害が出ることも。
状況 99%以上、一人で留守番中に何かストレスを感じた時。(来客や雷など)
ちびイタズラは、愛犬が軽くみている人なら、いてもやる。
期間 ストレスにより半永久的
【サンの例】
・トイレ粗相 (サンはこれに5歳まで悩まされました!)
・侵入禁止区域に侵入 (ゲートを押し倒す)
・水皿をひっくり返す(長時間の雷など、よっぽどのストレス時)
・テーブルセットのテーブルに乗りだしてイタズラ(ほぼ食べ物)
・遠吠え(飼い主外出直後、雷。10分以内で鎮まる)
これらの行動は、サンは7歳になった今でもやることがあります。分離不安(一人になると不安になり、問題行動を起こす)でもあるので、1~2歳までは、「10分遠吠え→トイレ粗相→物を破壊」ほぼ毎日、このルーティンを繰り返していました。
3歳で大分落ち着き、5歳を過ぎてほぼなくなりました。それでも雷に関しては敏感で、7歳になった今でも雨が降り出すと上記の項目を行いがちです。
また、我が家は来客が少ない家なので慣れていないのか、ピンポンくらいならまだしも、お客さんが長時間いる気配を察すると不安になってやらかします。
トイレ粗相に関しては、ちゃんとトイレでやるのですが慌てているので位置をじっくり決めれず、はみ出してしまうようです。
トイレも狭いから
しょうがないのよ
予防対策と飼い主の心得
【予防対策3ヵ条】
です
❶ 本当に壊されたくないものは撤去しかない
❷ 撤去できないものは囲んで見えないようにする
❸ 囲めないものは他に目をそらさせる
❶…当たり前ですが、持ち運べる物は、全て撤去です。例えば携帯やパソコンなどの、やられたら一週間食欲不振に陥りかねない大事なものは面倒くさがらずに確実に撤去しましょう。
また、弟などが帰省してきた場合。何度「絶対そこだと危険だよ」と言っても、70%の確率でその辺に投げ捨ててあります。
自分の愛犬ともなれば、こっちにクレーム被害が来るのはわかりきっていますから、他人の物全てに目を光らせましょう。…だから言ったじゃん!は、まず通用しません。
メガネとかパソコンとか、
まじやめて欲しい
❷…ピアノなど、撤去できないものは、厚めベニヤ板などでグルっと囲みました。私の印象では、見た目「面白くなさそうな物」には興味を示しません。
壁、ドア、板など。木製の物を噛むと言っても、彼の口サイズに合わないもの(噛みづらいもの)は噛むことはありませんでした。テーブルの脚は危険だが、チェストは無害、といった感じです。
板をビニールひもとガムテで
補強しただけですが無事でした。今では外しています。
❸…壁に取り付けたインターフォンも半壊されました。これだけは囲みようがないので、インターフォンの下に彼の興味ありそうな物をたくさん積み上げておきました。
インターフォンにたどり着くまでに、まずそれらからやっつけにいくので、この方法で何とか保っています。
今度は【飼い主の心得3ヵ条】です
❶ 大型犬は「これなら大丈夫だろ」の予想を軽く超えてくる
❷ 最終的にはあきらめ
❸ 年をとっても油断しない
❶…大型犬でも、犬種によって運動能力が違います。我がサン君、ゴールデンはそれほどジャンプ力もないし、小回りもききません。
しかし、二本足で立ち上がれば120~130㎝に迫る高さです。広めのテーブルでも上に載せてあるものは大体届きます。
「これぐらいの高さに置いとけば届かんだろ」と思う2倍は余裕をみたほうがいいと思われます。「ここはマジで大丈夫」箇所が認定されるのは、少なくても3年後以降です。
また、体力も、噛む力も恐らく想像以上。サンも子犬時代にして、2㎏の鉄製のダンベルをくわえ運んで遊んでいました。ちょっとあり得ない強靭なアゴですよね…。
他の子はわからないのですが、「体力にまかせて物を破壊にかかる」というよりも、「そんなつもりじゃなかったのに、ちょっと力を入れたら結果壊しちゃった」というような感じではあります。
あら~意外にも粉々
❷…「最終的にはあきらめ。」哀しいかな、やはりこの一言がでてきます。全てのものを撤去するわけにはいかないですし、ウッカリ撤去し忘れた、まさかここまでやると思わなかった、ということが絶対ありますから。
一緒にプロレスごっこもできるし、寒い時は湯たんぽ以上の暖房器具になってくれるし…と、大型犬ならではのメリットを用いて自分を慰めましょう。
抱きしめるのにベストな大きさ!
そしてふわふわモコモコ!
❸…反抗期も過ぎて数年、大分彼(女)落ち着いてきたなァと油断してはいけません。何がきっかけでまた問題行動を起こしてくれるかわからないのです。
サンの場合は子犬期は雷を全く怖がりませんでしたが、3歳を過ぎてから恐怖症になってしまいました。雷なしの雨でも、不安定な時はやらかします。
また、夏前に少し不安定になるようになったのも3~4歳(暑さが苦手なので)。年取るにつれて落ち着いてくるのですが、7歳になった今でも要注意日はあります。
ですから、「今日の天気はやばそうかも」の日は、撤去は今でもマストです。
問題行動の個体差について
分離不安
「分離不安」とは、一人でいる環境だと不安になり、問題行動を起こしてしまう症状です。飼い主が在宅していても、後を離れずトイレやお風呂まで着いてきてしうことも。
はじめは「かわいい~♡」と喜んでいたのですが、
実際は良くないことなんですよね…
信頼関係がまだ薄いらしい。
サンもその傾向があるので、留守番時の問題行動も少し激しいです。でも年を取るにつれ、大分落ち着きました。5歳を過ぎてからは、雷以外はほぼ気にしていません。
生活環境
反抗期などを含め問題行動は、飼い主さんとの信頼関係があるか/一人での留守番時間/生活環境にストレスがないか(部屋が極端に狭い・うるさい・家族に苦手な人がいる/散歩が充分でない、などにより大きく異なります。
サンに関しても、一人の時間が長いことがまずあります。また私も初めての犬で、ベストなしつけができなかったのかもしれません。信頼関係が築けてきたかな、と思ったのが2歳も近くになったあたりでした。
愛犬が私のことを意識していると感じた時は嬉しかったですね
その辺りから分離不安も少しずつ落ち着き始め、同時に問題行動も軽度になってきた感じがあります。
犬種/性別
犬種によっても大分異なりますが、自立心が強く、飼い主がいないことによる不安に左右されない子は問題行動も少ない傾向にあるようです。
ゴールデンレトリーバーは、家族大好きで甘えん坊の傾向があります。しつけをあやまると飼い主に依存しやすくなりますが、メスはオスに比べてクールで自立心が高い印象があります。
オス
でしょうね
まとめ
ここまで読んでくださった方は、「結構すごいのね…」と引いてしまわれるかもしれません。でも、サンはちょっと神経質よりかもしれません。
サンは4ヶ月すぎで迎えたため、社会的な触れ合いが足りなかったことがあるかと思います。自由になれるまでに色々サンも辛かったのではとも考えます。
また、我が家は家族構成も2人だし、友人も少ないので、遊びに行かない限りは外部との触れ合いが少ない方だと思います。
また、8時間くらい一人で留守番ということも大きいでしょう。
申し訳ない分、愛情や散歩で水増ししているつもりですが、サンに言わせれば「もっとこうしてくれぃ」と不満タラタラかも…。
ですから、我が家のようなマイナスポイントが一つでも少ない場合、多分サンより悩まされることが少ないと思います。あくまで参考の一つにして下さればと思います。
でも、本当に可愛いですよ大型犬!何をやらかしても、「こんなデカい身体しやがってぇ~(まだ子供ね)」で大分お釣りがきますから、安心してください!
やっぱり縁があったの
でしょうからね♪